こんにちわ!人間は感情の生き物。このまま何もしないとどうなるでしょう!を共に考える米子相続コンサルタント、【日だまり】代表の山根です。
前回、相続”税”対策としての「生命保険」(以下「保険」)の大切さを記載しました。
「保険」だけで相続対策ができるとは言いません。
ただ、「保険」も「相続対策」にも生きてくることを知って頂きたいと思います。
重要なことですので、あれもこれもと欲張らずに、当たり前のことを書いて行きます。
死亡保険金は、相続税の計算にカウントされますが、指定された受取人、その方の”相続”財産ではなく、受取人の財産そのものになります。
ズバリ!遺産分割の対象にならないのです!
下品な言い方をすれば「私のもの!」です。
極端な例えにはなりますが、
被相続人には500万の貯金と5000万の借金がありました。
相続人が相続放棄しますと、何も入ってきません。当然です。
ところが、
被相続人には、長男受取人の500万の生命保険と5000万の借金がありました。
相続人である長男は、相続放棄をしました。ただ、長男は500万を受け取ることができるのです。
なぜなら、死亡保険金は、受取人固有の財産になるからです。
皆さん、お財布から1000円札を取り出してください。
その1000円札にボールペンで、「私に万一のことがあったら、相続人●●にあげる」と記載してみてください。
そうしましたら、万一のときに、その相続人に1000円札が渡されます。これは遺産分割の対象にもなりません。
なんて、滑稽なことにはなりませんよね。
でも、そんなことができるのが、「生命保険」なのです。
つまり、「生命保険」は、財産的な部分では「遺言書」に近い役割が果たせるのです。
相続の専門家がうるさく申し上げても「遺言書」をお書きになられない方が多いのが実情です。
簡単に書ける「エンディングノート」にしてもそうです。
資金が必要な方にスムーズに渡せるように、せめて、「生命保険」だけは入っておかれた方がいいと思います。
相続人は相続発生の際、動揺されたり、忙しくしている中、すぐに必要な葬儀代なども考えないといけませんから。
「死亡保険金」は受取人固有の財産ですので、特別受益(一部の相続人だけが被相続人から生前贈与や遺贈等で受け取った特別な利益のこと)には該当しません。
先ほどから申し上げてます通り、遺産分割に持ち戻される必要はありません。
ただ、これも他の相続人と著しく不公平があると認められると、特別受益になった判決がでてました。
何度も申し上げますが、受け取る側の納得感、「感情」の部分が大きく関係しています。
生前にしっかり話し合いができていれば、譲歩しあっていれば、多少は結果が変わっていたのかも知れません。
上のケースは、平成16年の最高裁判例です。
特別受益になるならないで最高裁まで闘う人は闘うのです。
「感情」とは本当に恐ろしいものだと思います。
どこかで、最初ちょっとしたボタンの掛け違いがあって、時間が経つにつれ、その亀裂が大きくなるのでしょう。
ですから、「遺言書」は大切!「保険」も大切!
さらに生前に家族内での話し合いが最も大切だと申し上げているのです。
このような相続における”生前”の「家族会議支援®」もご相談、承ります。
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