こんにちわ!人間は感情の生き物。このまま何もしないとどうなるでしょう!を共に考えるファイナンシャル・プランナー【日だまり】の山根です。
日頃、考えごとをする際にAIを活用する場面があります。
確かに、非常に役に立ちます。心強く思います。
ただ、過信はできないとも思います。
最近もその事例がありました。
いわゆる、AIのハルシネーションです。
※ハルシネーションとは、人工知能(AI)が事実とは異なる情報を、もっともらしい嘘として自信満々に生成してしまう現象をいいます
「嘘」とは言いすぎかなぁ・・
特に、私の仕事上では年金制度に関して起こりやすいように感じています。
年金制度は、年度ごとに金額・数値が変わります。制度そのものも変わることもあります。
例えば、「配偶者加給年金」に関してみてみます。
▶質問①:
主人、昭和38年4月生まれ、63歳(厚生年金加入期間20年以上)、
妻、昭和42年3月生まれ、59歳(厚生年金加入期間数年程度)、
主人が65歳になり年金をもらえるようになると配偶者加給年金はいくらに?
▶AI回答①:
① 夫の加給年金額
現在(令和8年度)の配偶者加給年金は、
243,800円+特別加算179,900円=年423,700円
夫は昭和38年4月生まれなので、特別加算は満額の179,900円の対象です。したがって、令和8年度の加給年金は年423,700円(月約35,300円)です。
② 何年間もらえるのか
夫は2028年4月ごろに65歳になります。
妻は昭和42年3月生まれなので、2032年3月ごろに65歳になります。
したがって、
夫65歳 → 妻65歳まで、おおむね4年間弱あります。
配偶者加給年金は、妻が65歳になると終了します。
そのため、現在の年額を単純に当てはめると、
423,700円 × 約3.9~4年 ≒ 約165万~170万円となります。
③ つまり、このケースの答え
現在の年金額水準で考えるなら、
配偶者加給年金は、夫65歳から妻65歳までの約4年間で、おおよそ165万~170万円程度
と、以上の回答が得られました。
③の「現在の年金額水準で考えるなら、」と前置きがありますので、何も言えませんが。制度そのものに関してはどうでしょう?
老齢厚生年金に付随する配偶者加給年金は10%縮小されます。
日程は2028年4月1日から受給する方に適用されます。
それ以前に受給していた人の配偶者加給年金額は変わりません。
年齢差がある夫婦ほど受け取り額が多くなるという不公平感が理由だそうです。
この配偶者加給年金、将来的には廃止を考えられているそうですが、いつ廃止になるかまだ未決定だそうです。
ここで、再び、AIに尋ねます(^^)
▶質問②:
2028年4月1日から配偶者加給年金は現状から10%縮小されませんか?
▶AI回答②:(原文そのまま)
おっしゃる通りです。私の先ほどの回答は、その改正を見落としていました。申し訳ありません。
ご主人は昭和38年4月生まれ=2028年4月に65歳です。まさに今回の「2028年4月からの配偶者加給年金の見直し」を考えるべきケースです。
重要なのは、「2028年4月1日から一律10%減」ではなく、2028年4月1日以後に新たに受給権が発生する人が原則として約1割減額され、施行日前から受給権がある人は従前額が維持されるという点です。厚労省の年金部会資料でも、配偶者加給年金を約1割見直し、既に受給している人は維持するとされています。
そして、このご主人は2028年4月に65歳なので、まさに境目になります。
このご夫婦の場合
ご主人:昭和38年4月生まれ → 2028年4月に65歳
奥様:昭和42年3月生まれ → 2032年3月に65歳
現在の令和8年度の配偶者加給年金は、
243,800円+特別加算179,900円=423,700円/年です。
一方、2028年4月1日以後に新たに受給権が発生する場合は、法律上、
- 配偶者部分:202,200円 × 改定率
- 特別加算:149,200円 × 改定率
となり、現行の基準額から約10%減ります。
したがって、令和8年度の改定率をそのまま仮置きした場合、おおよその水準は
423,700円 × 90% ≒ 381,300円/年くらいです。
つまり、月約31,800円です。
では、約4年間でいくらか
奥様が65歳になるのは2032年3月ですから、2028年4月ごろ~2032年3月ごろの約4年間。
現在の水準を単純に当てはめると、約381,300円 × 約4年 ≒ 約152万円です。
したがって、このケースについてFPとして概算するなら、
配偶者加給年金は、改正後の水準で約150万円前後と考えるのが適切です。
ただし、実際の2028~2031年度の年金改定率によって毎年の金額は変わるので、「現在の年金額水準で約150万円」という表現が安全です。
なお、奥様は昭和42年3月生まれなので、65歳になった後の振替加算はありません。日本年金機構も昭和41年4月2日以後生まれは振替加算0円としています。
ですから、このご夫婦は、
夫65歳~妻65歳:加給年金 全額で約150万円
妻65歳以降:振替加算なし
という見方になります。
今回のケースは、「2028年4月1日」と「夫の65歳到達時期」がちょうど重なるため、かなり注意が必要なケースです。
と、以上の回答になりました。
とはいえ、しっかり速やかに修正されていました。
【まとめ】
やはり、AIに回答を求めるには、
AIに「丸投げする」のは危険のようです。特に、年金などライフプランを実務で扱う場合です。
単に、
「昭和38年4月生まれの夫と昭和42年3月生まれの妻の加給年金はいくら?」だけの問ではNGのようです。
「2028年4月1日からの加給年金の見直しを考慮して」と指示すれば、かなり違った回答になるようです。
とはいえ、その改正を知らなければ、そもそも指示ができません。
つまり、AIの能力 × 使う人の問題発見能力が重要になります。
さらに重要なのは、
「この回答で見落としている制度改正や例外がないか確認してください」と最後に一言入れると違ってくるそうです。と、逆に、AIからご指摘頂きました(^^)
~~~~~ここから下~~~~
★ひとこと・・ここから下は、配偶者加給年金制度とは何?です。本題と関係ありませんし、長いです。
ご関心をお持ちでしたら、引き続きお読み下さい
年金知識までは不要、もう読むのに疲れたという方はここで終わって頂いて構いません(^^)
【配偶者加給年金とは?】
配偶者加給年金は、厚生年金の加入期間が原則20年以上ある年金受給権者に、生計を維持されている65歳未満の配偶者(年収850万円未満)がいる場合、加給年金が加算されます。年金額に上乗せされる家族手当のような給付金です。
ただし、65歳よりも前に受け取る老齢厚生年金の報酬比例部分のみを受け取っている期間は加算されません。
【注意点】
例えば、主人(厚生年金の加入期間が原則20年以上)が65歳以上で、65歳未満の妻も老齢厚生年金加入期間が原則20年以上の受給権を有する時や障害年金を受け取る間は、加給年金は支給停止となります。妻と夫が逆の場合も同様です。
ん?分かりづらいですよね~
【例えば】<2026年8月31日現在情報>
夫:65歳(昭和36年4月2日生まれ)
夫:厚生年金加入期間20年以上
妻:62歳(昭和39年3月生まれ)
妻:厚生年金加入期間 20年以上
しかし、妻はまだ62歳で、老齢厚生年金を受け取れる年齢に達していない場合は、・・
「将来、老齢厚生年金を受け取る資格がある」というだけ。
まだ受給開始年齢に達しておらず、老齢厚生年金の受給権そのものが発生していないなら、夫の加給年金は停止されません。
ところが、例えば妻が63歳になり、「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れるようになった場合、
厚生年金加入期間20年以上で、妻自身に「特別支給の老齢厚生年金」の受給権が発生となる場合は・・
この時点で、実際に受け取っているかどうかにかかわらず、原則として夫への加給年金は支給停止になります。
※「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れる人は、男性:昭和36年(1961年)4月1日以前生まれ、女性:昭和41年(1966年)4月1日以前生まれで、老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)があり、厚生年金保険等に1年以上加入していることが前提です。
※年下の妻の厚生年金加入期間が20年未満の場合、夫の老齢厚生年金は妻が65歳になるまで加給年金が加算されます。「特別支給の老齢厚生年金」ももらえます。にゃ!!🐈
※老齢厚生年金を繰り下げると、繰り下げ待機期間中(年金を受け取っていない期間)は配偶者加給年金が支給されません。老齢基礎年金だけを繰り下げているのであれば、条件を満たしていれば配偶者加給年金は支給されます。
2026年度(令和8年度)の配偶者加給年金額
65歳になりました。老齢厚生年金をもらいます・・その方の年金にプラス
配偶者分・・“65歳未満まで”、423,700円/年
~~~~~~~~~~~
正直、個別の年金計算は、必ず、最寄りの年金事務所に直接お尋ねください。
これが一番正確です!
ただ、予備知識は絶対にあった方が説明を受ける際に分りやすいです。
(2026年8月31日現在情報)
